第5話 トンチンカン先生の秘密蔵書
女房はいつも言うのです。
女房:「本は、重くて、邪魔で、高価で、お父さんが読んだ後は誰も読まないでしょう。そろそろ、本の収集を卒業したらどうですか。」
私:「本は、知識の栄養だよ。人生を豊かにするんだ。」
女房:「お父さん、すでに体重は70キログラム、お腹の周りは90センチでしょ。もうこれ以上、栄養は必要ないでしょう。」
(女房は、「栄養」=「メタボ」と短絡的に脳の回線が出来上がっているのです。それとも、知識のところが聞こえなく、老人性難聴でしょうか?)
私:「知識の素、教養をにじみ出す会話の栄養素だよ。」
女房が何と言っても、やっぱり、私は、本を読むことが好きです、いや、好きでした。過去形で表現するというのも、最近は、机に向かって読んでいると腰が痛くなる。寝そべって読んでいると長時間、本を持ち上げて腕が痛くなる。ロッキングチェアーでかっこよく読んでいると首が痛くなる。など読書による腰痛、筋肉痛で、2~3日は何もする気が起こらないのです。
という訳で、最近は、読むより見る方向へシフトし始めました。つまり『百読は一見に如かず。』なのであります。それでは、私の秘密蔵書を順にご紹介します。
なお、以下、ご紹介する本の数々を、実際、手に取って、触ってみたいと思われる人は、是非、坂部環境技術事務所をご訪問下さい。コーヒー付きで読むことが出来ます。出版社に敬意を払うため、ちょっとだけ見て、その本を購入されることをお勧めします。必ずや、これらの秘蔵書は、あなたの座右の友になります。
♪♪♪♪秘密蔵書の紹介♪♪♪♪
<その1:なんだこりゃ昆虫図鑑>
小学館の学習百科事典『珍虫と奇虫』(小学館 1,300円)
世の中には本当に不思議な生き物がいるものです。特に昆虫は不思議です。現在知られている生物種に限れば半分以上は昆虫であるといいます。そして、現在、種類の登録がされていない「未記載種」も含めると100万種を越えるといわれています。
私は、ある日、本屋さんで何気なく子供の百科事典のコーナーを見ていると、不思議な本がありました。それが、下の写真の本です。コノハムシが表紙に大きく載っています。「隠れることが身を守る。」の代表選手です。確かにジャングルの中で一番数の多いものは「木の葉」です。葉っぱに擬態することで生きながらえて来た昆虫なのです。
この本には、熱帯アジアのジャングルに緑色、褐色、赤色など20種類ほどのコノハムシが生息していることが知られていると書かれていました。コノハムシの様に、隠れることばかりでなく、自ら花に化けて蜜を吸いに来る昆虫を捕まえる「ハナカマキリ」、「食べてもおいしくないぞー。」と身体の色をマズソウな色で意思表示している「シュイロバッタ」、木の枝や竹に化けている「ナナフシ」、古代エジプト人が「太陽神のケペラの化身だ。」と勝手に思い込んだ「フンコロガシ(糞むし)」、金属製品のような「ハンマーカメノコムシ」、ハチの姿に似せた「ハチモドキキリギリス」など、数えきれないほどの変わった昆虫が紹介されており、何のためにこのような形になったのかわからない昆虫も多く紹介されている、本当に楽しい昆虫図鑑です。
珍虫と奇虫
私の秘密蔵書第1号「珍虫と奇虫」の表紙
その中でも極め付けの虫は、なぜこんな恰好をしているのか不思議な「パジャマクサヒバリ」の幼虫(下の写真)です。首の所は襟なのでしょうか、縦縞模様、胴体は横縞模様、そして、念入りにズボンの部分の足は再び縦縞模様です。ジーッと見ていると本当に、見ている人を馬鹿にしているような滑稽さがあります。クサヒバリは漢字で『草雲雀』と書き、コオロギのことです。とにかく、何でパジャマを着ているのか不思議です。
パジャマクサヒバリ
パジャマクサヒバリ(ボルネオ島 体長10mm)
第2の極めつけは、「ヨツコブツノゼミ」です(下の写真)。ツノゼミは、名前のごとくセミの仲間です。そして、背中に不思議なツノを持っています。飾りのためなのか、何なのか、「パンパカパーン」と突然、舞台に飛び出して来たような虫です。目も左右に離れており、キョトンとした顔、頭が爆発したように派手なツノ。精一杯頑張っている、なんともかわいい昆虫です。
ヨツコブツノゼミ
ヨツコブツノゼミ(ブラジル 体長5mm)
<その2:なんだこりゃ料理本>
『楽しい昆虫料理』(ビジネス社 1,600円)
今度は、昆虫の『料理』に関する本です。本来、ゲテモノ好きな私です。蜂の子、バッタの甘露煮、ザザ虫の缶詰、ホヤのビン詰と皆さんが、「オェーッ。」と感じる食べ物が好きなのです。皆さん、是非、これらの食品を食べてみてください。触感と言い、味と言い、香りまで何とも言えない美味しさが漂ってきます。
ある時、毎週日曜日に掲載される新聞の読書欄に紹介されている本の紹介記事を見ていました。すると、食欲をそそるこの本が紹介されているのではないですか。紹介者は某有名私立大学教授さんです。紹介者もさることながら、「すべて試食済み、感動するかあきれるかで、あなたの人生が変わります。」という解説です。私は、すぐに「ヤフー・ショッピング」で注文しました。カードで支払い、宅急便で配送で申し込みました。この本、売れ行きが悪いため在庫が多いのか(失礼)、数日で私の手元に届きました。
楽しい昆虫料理
私の秘密蔵書第2号「楽しい昆虫料理」の表紙
本を開くと、まず、おいしそうなカラー写真入りの口絵があります。『ナメクジの酢みそ和え』、『子持ちカマキリの南蛮漬け』、『紅ガラスズメの磯辺揚げ』など、名前を聞いただけでも美味しそうです。紹介されている料理は、和食が『カイコのふきみそ田楽』はじめ29種、洋風料理は『ヤゴとクレソンのサラダ・アンチョビ風味』はじめ23種、中華・韓国・エスニック料理が『かに玉風コオロギの甘酢あんかけ』はじめ20種です。
それでは、代表的な料理『ナメクジの酢みそ和え』をご紹介します。下の囲みにあるように、比較的入手しやすい食材ですので、簡単に料理に挑戦できます。ナメクジは庭や家庭菜園のジメジメした場所にいます。使用済みの植木鉢の裏側、家庭菜園のハクサイやチンゲンサイなど葉が込み合っている野菜の葉と葉のすき間を探すと必ず1匹や2匹は出てきます。収穫後水できれいに洗って、しばらく水に浮かしますと、水分を吸って大きくなります。これを食材として用います。(この部分はトンチンカン先生の経験からの記述です。)
和風料理・夏
ナメクジの酢みそ和え
作りやすさ ★★★★   おいしさ ★★★★ ナメクジ料理
食べやすさ ★★     入手しやすさ★★★
▼ 材料(4人分)
▽ナメクジ 20頭  ▽わけぎ 150g  ゴーヤ 1本  ▽みそ 大さじ3
▽砂糖 大さじ3  ▽だし汁 大さじ3  ▽練がらし 小さじ1  ▽酢 大さじ1
▼ 作り方
・・・・( 省略 )本を買って読んでください。
「楽しい昆虫料理」からの抜粋(一部編集)
私の女房は、この本を見て料理をしてくれません。一度頼んだのですがダメでした。そのため、私はこの料理本に掲載されている料理を食べたことは一度もありません。ゲテモノ好きな私でも、さすがにこの本に載っている料理を全て食べる勇気はちょっとありません。ちなみに、私はこの本を読んで感動しました。

<その3>、<その4>とこの秘密蔵書シリーズは続きます。乞う期待下さい。
それではごきげんよう。さようなら。
我がホームページへアクセスする、上品な友へ
トンチンカン先生より

♪♪♪♪秘密蔵書の紹介♪♪♪♪(第2回目)
<その3: なんだこりゃ宗教本?>
『珍寺大道場』(イースト・プレス 1,250円)
世の中には本当に不思議な神社仏閣があるものだと思いました。この本は、日本中のちょっと、いやいや、かなり変わったお寺や神社を巡り歩いてウエブサイトで報告している人の記録集です。紹介されている神社仏閣は日本のもの32件ですが、相当ヘンテコリンなものばかりで、私もびっくりでした。
この本は、毎週日曜日に、新聞に掲載される「読書欄」を読んでいたら発見したものです。「楽しい昆虫料理」という既に紹介しました本と同様、売れ行きが悪いため在庫が多いのか(失礼)、数日で私の手元に、初版本が届きました。
新聞記事には、由緒正しき寺社仏閣ではなくて、田舎の金持ちが突然改心して建立した大観音とか、世間一般からは「いかがわしい」、「怪しい」としか見られることのない、独立系の宗教(+観光)施設、著者はこのような珍寺ばかりをひたすら訪ね歩いては、バカにするでもなく、誉めすぎるでもなく、笑いを含んだフィールドワーカーの目で物件を採集する(少し略した部分、読みやすく改文した部分あり)と紹介しています。
珍寺大道場
私の秘密蔵書第3号「珍寺大道場」の表紙
1ページから読んでいくと、何と、私の坂部環境技術事務所の所在する「愛知県」の周りでも相当変わった物件があります。この本で紹介されている愛知県周辺の神社仏閣は以下の表のとおりです。自動車に乗り1時間30分以内で行けるのです。ただし、この本は2004年12月に初版本が出ていますので、今は廃寺になっているものもあるかもしれません。そこはあしからず。
表 日本最強の珍寺ゾーン中部編(代表的なもの5件)
番号 寺社名 本での紹介タイトル 所在地
五色園 珍妙コンクリ像の百花繚乱 愛知県日進市
桃太郎神社 ポンチな桃太郎伝説 愛知県犬山市
風天洞 大岩窟に広がるシュールな異界 愛知県豊田市
かご大仏 日本三大仏に立候補中の異色大仏 岐阜県岐阜市
大観音寺 金ぴかファンシーブッダパーク 三重県白山町
この中で、本を手に入れる前にすでに訪れた物件が2件ありました。それは2番と5番です。下の写真は実際家族で『桃太郎神社』を参拝した時の記念写真です。相当昔の若い時の写真です。現在、我が豚児が30歳を超えているので、多分25年ほど前の写真です。
犬山市の友人宅を訪れた時、せっかくだから犬山遊園地というところへ行こうと、家族全員で行くことになりました。ちょうど桜祭りの始まる前で、ボンボリなどがセットされていました。全員で、かしわ手を打ち、『家内安全、商売繁盛』をお願いし、その参道を帰るときの写真です。
よく考えると、私はこの『珍寺大道場』が出版される前から、この様な、ヘンテコリンな神社仏閣に興味を持っていたことになります。それにしても、この被写体の人物等の中で、一番、凛々しく、しっかりしているのが、桃太郎に従って鬼退治に出かけた『犬』(前列、左から2人目)ではないでしょうか。
桃太郎神社
約25年前に一家で訪れた桃太郎神社(犬の肖像の前にて)
(犬が一番、りりしく、しっかりしている。)
次に訪れた珍寺は大観音寺です。私が大阪へ出張の時、特に関西国際空港の建設事務所、大阪航空局への出張はその事務所が大阪の南部に位置しているので、常に名古屋から難波までノンストップの近鉄特急に乗っていきました。特急電車の車窓の眺めは青山高原を通り過ぎるころが一番きれいです。初夏の新緑、秋深く紅葉と素晴らしい日本の四季を感じるのです。
しかし、ところが、榊原温泉口という通過駅を過ぎると、一瞬だけ、いつも金ピカの観音様が新緑、紅葉の自然の景色から、頭一つ出しているのです。「何だ、これは。」、といつも思いつつ、何度も出張していたのです。
いつか、そこはしっかり確認する必要があると考えた私は、ある日曜日、自家用車で、女房と2人で榊原温泉の日帰り温泉旅行を兼ねて探検に参りました。山の頂きに胸から上を出している金ピカの観音様を目標に、車を前に進めました。しばらくすると観音様の足元に大駐車場がありました。そうです。そのお寺こそ大観音寺でした(くどいようですが、私は、桃太郎神社と同じく、この本が出版される前から探検していたのです)。
女房は車から降りた途端「なにこれ!」、と悲鳴を上げ、私もいきなり「なんじゃこりゃ!」と声を発してしまいました。カエルのオーケストラが駐車場の正面の斜面いっぱいに広がっているのです。下の写真の様にカエルが大勢で演奏しているのです。
左側はフランスのルーブル美術館に収められている有名な塑像のレプリカが、等身大、もしくはその数倍の大きさでしっかり並んでいます。そして、右側には平たい屋根の家がありその奥には、例の大きな金ピカの観音様が今度は腰から上を出しているのです。まさに霊験アラタカに見えるスケールです。気持ちが超越して、なんだか楽しそうになってきました。ちなみにこの建築物の設計は、かの有名な建築家黒川紀章様なんだそうです。再び、びっくりでした。
大観音寺
大観音寺の駐車場前(私の写真が見つからず、とりあえず、本から採りました。)
(私の写真が見つかり次第、差し替えます。)
こんな訳でして、この本が『私の秘密蔵書第3号』になったのです。どうしてもこの本を読みたいけれど、万に一、絶版になっている場合は坂部事務所へお越しください。コーヒー付きで閲覧できます。