第11話 『何だろう、この看板』の話
トンチンカン先生は、仕事で様々な国を訪れています。ツアーではありません。本当に仕事です。そのためか、変わった光景に出くわし、びっくりしたり、笑ったりしてしまいます。今回は各国の街を散策した時の面白看板などをご紹介します。一人で噴き出したり、一人でなるほど思ったり、こんなのアリィ~? と思ったりしながら一人旅をしています、これからも一人旅を続けます。
ご連絡が遅れましたが、女房は1年半前、すい臓がん、肝臓への転移で他界しました。
<その1  A-COOPではないですか?(ブータン編 その1)>
幸せの国ブータンは、観光で行くと、観光税がアメリカ・ドルで、1日1000ドル必要です。その代り、ホテルが指定、マイクロバスで観光地を周遊してくれます。従いまして、リックで頭がボサボサの無銭旅行者はまず間違いなく入国が出来ないのです。私は、我が豚児の勤務先がジャイカ・ブータン事務所でしたので、豚児の実の親という事で40ドルの入国税でブータンに入れました。そして、タクシーを使い、あるいは徒歩で既定の観光地以外の場所へも行けたのです。特にティンプーというブータンの首都(日本で言えば東京ですが、人口はわずか15万人です)を隅から隅まで散策することができました。
参考:ブータンのタクシーは全て軽自動車です。そして、料金メータはありません、運転手さんのサジ加減で料金が決まるのです。
B-COOP正面入り口
写真―1 『B-COOP』の正面入り口
そしたら、写真ー1のような「B-COOP」という看板がありました。A-COOPの間違いではないでしょうか。とにかく変わっていましたのでシャッターをガシャ。
息子が住んでいるアパートに帰って、息子に詳しく聞きましたところ、ブータンの農業省が日本のA-COOPのにぎわいを見て、「この販売方法は大いによろしい、我が国もこの制度を取り入れるべきだ。」、という事でそのノウハウを取り入れたのですが、A-COOPではあまりにも同じだから、『 A 』でなく、『 B 』にしようと決めたようです。しかし、よくよく考えて、名前の『パクリ』はよろしくない、という事で、ABCの「B」ではなく、ブータン(BHUTAN)の「B」という事にしようとなったようです。
B-COOPの店内に入ると、レジはなく、商品は高原ハチミツ、ヤク(牛類)の乳から作ったビン入りチーズ、ビニールに約200gづつ入った豆類(ハナマメのような感じの豆でした)、牛乳(一応、冷蔵庫に入っています。)、卵(これは冷蔵庫に入っていません)、ハーブ茶など10種類程度で店員は女性2人男性1人の計3人です。このシステムはまだ始まったばかりのようですので、これから期待できそうです。
ブータンの特産品
写真―2 高原ハチミツ(左)、ヤクのチーズ(右)、ハーブティ―(下)
何度撮影してもチーズの容器がゆがんで見えました。その原因は、ラベルが斜めにのり付けされていたからです。でも、ヤクの姿はまっすぐです。
私は、ハーブティー(サフラン入り)、高原ハチミツ、ヤク(牛の仲間)の乳から作ったチーズを買いました。チーズは非常に臭いがきつく、チーズ党の人しか食べられないものでした。しかし、私は無理して美味しく食べました。
どの商品も、不思議ですが、1個約120ニュルタム(1ニュルタムは1.6円程度)とほぼ同じ値段(日本円で約200円弱)でしたので、日本に比べたら特段に安いので、それぞれの商品を5個づつ買いました。
<その2 セブンイレブンではないですか?(ブータン編 その2)>
我が豚児の嫁さんが、「ヨーグルトとパンを買いに行きますので、一緒に行きますか。」というので、お店をのぞくことが大好きな私です。二つ返事でOKしました。嫁さんは孫と二人で手をつなぎ、前を歩いています。私はカメラを首にぶら下げて、街の中の面白い光景、変わった光景を探すため、シャッターチャンスを逃がすまいと、キョロキョロしながら3歩~5歩ほど遅れて歩いて行きます。今日はなかなか良い光景がないなぁ~、と思いながら歩いていますが、なんせ、標高3000メートルのブータンのこと10分も歩くと、呼吸が苦しく、足は進まず、ハーハー、ゼーゼーとなります。決して歳のせいではありません。観光客は皆この様になるのです。
8-ELEVEN正面入り口
写真―3 『8-ELEVEN』の正面入り口
やっとの思いで、日用雑貨店とコンビニが合体したようなお店に到着です。看板を見たら、『なんだこれ?』となってしまいました。写真ー3を見てください。何と、『8ELEVEN(エイト・イレブン)』なのです。これは、完全に「パクリ」です。驚きました。中に入ると、雑貨、玩具、飲み物、乾物、お米、唐辛子の1Kg入りパック、飲料など様々な品物が所狭しと並んでいます。
店内の陳列飲料
写真―4 店内に所狭しと陳列されていた毒々しい飲料。飲む気が薄らいでしまいます。
嫁さんは、冷蔵庫の中を覗いています。牛乳、チーズ、ヨーグルトなどが入っています。やっぱり、卵は入っていません。B-COOPと同じように、古紙で作った卵ケース(1ケース20個入り)が7段ほど積んでありました。卵が割れないかなぁ~、腐らないかなぁ~、と心配してしまいました。
ドラえもんのお菓子
写真―5 ドラえもんのお菓子も売っていました。(著作権など関係ない様子)
<その3 「老婆を娶(めと)って嬉しいな!」って、マジ?>
中国の大連に行ったときです。私と女房が泊まるホテルでは、ちょうど結婚式が執り行われていました。ロビーでは、新婚さんの友人たちが次々に記念写真を撮り合っていました。この光景は日本と変わりません。私も女房も、気持ちが爽やかになり、いい雰囲気でした。私はこの光景を、真横から見るアングルで写真を撮りました。外に目をやると、やはり親友らしき人々が、今から出発する新婚旅行のための自動車を取り囲み、なにやら騒いでいました。「ちょっと見て来るわ。」と言い、女房は外へ出ていきました。そして帰ってくると、「ナンバープレートに何か貼ってあるわ、何かしら。」というのです。どれどれ、と言いながら見に行くと、写真―6のようにナンバープレートの上に漫画を描いたプレートがくくりつけられているではありませんか。道路交通法、道路運送車両法違反ではないでしょうかと思いましたが、ここは中国、そのようなことはないのではと思い直しました。
新婚旅行の自動車
写真―6 新婚旅行のための自動車(正面より)
それにしても、なにが書いてあるのだろうと、近づいて、マジマシと見ますと、写真ー7のように新婚さんの間に漢字が書かれており、読んで見ると、「ええっ。」、『老婆』という漢字は読めます。『娶る(めとる)』という漢字も、何とか思い出し、思い出し、読めました。最後の右側が読めません。まさか、「老婆をめとって悲しいな。」ではあるまいに、と思いました。
ナンバーのプレート
写真ー7 ナンバーの上に張られたプレート(老婆をめとって嬉しいな)
翌日、親しい長期にわたって中国に在住している日本人の人に聞きましたら、「嬉しいという意味ですよ。」と教えていただき、さらに「老婆とは花嫁さんという意味ですよ。」とも教えていただきました。結局、「老婆をめとって悲しいな、ではなく、お嫁さんをもらってうれしいな。」という意味であることがわかりました。それにしても、老婆が花嫁さんとは、驚きと共に、噴き出してしまいました。外国では、日本の常識で判断してはいけないことがつくずくわかりました。
翌年、工場緑化の指導で、中国は広州へ出張しました。その帰り、空港でお土産を買おうとお店に入りましたところ、『老婆饅頭』と言うものがいっぱい並べられ、化粧の厚い若い女性店員がニコニコして、「お土産買ってください。どうぞ。」と日本語で客引きをしています(私が日本人だとよくわかったなぁ、と一応、感心)。「老婆饅頭なんて、マズそうな名前だなぁ~、どんなものだろう。」とブツブツ言いながらマジマジと見ていると、その時、大連の『老婆をめとって嬉しいな。』を思い出しました。花嫁さん饅頭だったのです。そして若い女性店員さんに「これ下さい。」と日本語で言い、あまりに愛想が良かったので、衝動的に5箱も買ってしまいました。
参考:実は、4箱買うと、1箱おまけでした。この様な、おまけシステムはタイやシンガポール、中国など東南アジア地域ではよくあるシステムです。
中身は、中国の結婚式にもよく出される月餅饅頭の様なものでした。いずれにしましても、甘く、美味しかった。やや厚化粧のニコニコと愛想の良い若い女性店員に勧められてよかった。
<その4 『大娘』って、お相撲さんの小錦みたい?>
中国の江蘇省へ環境技術支援として出張した時のことです。上海駅(虹橋駅)の待合室、蘇州の駅前、南京の街なかなど、いたる所に、「大娘・水餃子(オオムスメ・ミズギョウザ)」の看板がありました。写真ー8は上海の駅の中です。
大娘・水餃子のお店
写真―8 大娘・水餃子のお店の正面
お店の中に入ってみると、特段大きな餃子ではないし、みんな美味しそうに食べています。日本の餃子と色合い、形とも、そんなに違うものではありませんでした。私も食べようと思いましたが、なんせ、中国に到着したばかりで、1万円札しか持っていなく、毛沢東の肖像が印刷された「元」のお金は持っていませんでした。そのため、『大娘・水餃子』を食べることができませんでした。残念。
中国人の通訳の人に聞きましたら、「オオムスメとは、『田舎のお母さん』という意味ですよ。」そして、「全体を読むと、田舎のお母さんの味がする餃子という意味です。」という返事でした。なるほど、看板の中央、大娘と水餃子の間に、メガネをかけたお母さんの笑顔があります。なるほど、田舎のお母さんね、と感心しました。いずれにしても、大娘はびっくりでした。
<その5 番外編>
まだまだ、面白い看板、お店の様子、販売している品々があります。どうしても紹介したいものだけ5点を紹介してこのシリーズは終わります。
マッサージ店の看板
写真―9 マッサージ店の看板(中国 上海にて)
なんとか、マッサージと読めるところが面白いですね。「ツ」も左に寄っており、横書きの物を忠実に縦書きにしようとした心意気が伝わります。
マクドナルドの看板
写真―10 マクドナルドのお店(中国 南京にて)
マクドナルドを中国語で書くとこの様に「麦当労」となるのです。そのほか、「股券(またけん)」は宝くじ、「5折(5せつ)」は50%引きだそうです。なんとなく面白いですね。
蘇州の露店
写真―11 露店の風景(中国 蘇州の朝市)
買い物客の後方にある大きな麩の様なものは、「豚の表皮の天ぷらだそうです。何に使うかと聞きましたら、スープなど中国料理の「だし汁」を取るのだそうです。手前の棒状のものはパンの天ぷらです。
アユタヤの露店
写真―12 露店の風景(タイのアユタヤ付近)
タイの気温は35度を超えています。この様な場所で「ナマ」のつくね、イカ団子、ボイルしたエビやイカを並べています。注文するとその場で焼いていただけます。私は当然ですが、食中毒が心配で食べませんでした。それにしても、右上にある「コカコーラ」は中身がボトルの肩までで、日本の様に首まで入っていませんでした。本物かしらと首をひねりました。
海水浴場の浮き輪
写真―13 海水浴場の風景(タイ ブーケット付近)
海水浴場で、浮き輪のレンタル。自動車のタイヤを再利用したものですが、全てに『ドラえもん』の顔がペンキで描かれていました。やはり、ここでも、著作権など関係ない様子。しばらく見ていましたが、どうも、あまりレンタルされていない様子でした。