第24話 トンチンカン先生、台湾へ行くの巻
さてさて、皆さま、私は初めて台湾という所へ行って来ました。日本に近い国ですが、まだ行ったことがありませんでした。台湾の企業から環境指導をしてほしいと依頼がありましたので、さっそく行くことを決めました。
季節はちょうど3月の中旬、日本の気候は暑い日と寒い日が交互にやってきます。しかし、台湾はもうすでに25度を超える日本でいう夏日が毎日でした。
それでは、またまた、漫遊記をどうぞ、ご覧あれ。
その1 セントレアから桃花国際空港(台北)、そして台南市へ

まず、朝9時30分、私一人でセントレアからテイクオフ。集合場所は台北『桃園国際空港』です。到着は12時15分ですが、時差が1時間あります。したがって、飛行時間は3時間45分です。
今回は、関係者4名で視察兼指導です。私を除いた3名は、それぞれ上海空港、香港空港などから集まってくる、中国人の人達です。私の飛行機は正確に到着しました。入国検査を受けて空港ロビーへは、12時45分ごろに出たのですが、肝心の集合場所には誰一人いません。携帯電話で呼び出しても応答はなく、いささか不安になってきました。
そう言えば、前回も北京空港で集合した時に上海空港から来る人と待ち合わせをしたのですが1時間30分も待たされました。そんなことから、気を大きく持ち、「まぁ、こんなもんだ。」と納得してのんびりベンチに腰かけていました。案の定、30分ほどして、2人の関係者がやってきました。しかも、ゆっくりと歩いて。
1人は通訳も兼ねた中年の男性技術者、もう一人は若い女性。なんと、大学を卒業して3年目という事です。若いなぁ~。他の1人は、空港到着が3時間後ですのでホテルで集合としました。
桃園空港駅でのツーショット
現地で落ち合った関係者の一人とさっそく『ツーショット』
(地下鉄『桃園空港駅』のホームにて)
まず、桃園国際空港から、台湾新幹線の駅まで地下鉄で移動します。上の写真をご覧ください。初対面の挨拶をかわして10分もたたないうちに、『ツーショット』です。
(さい先がいいなぁ~。今回は出鼻をくじかれずに済みました。)
新幹線は、桃園駅から台南駅まで、所要時間はおおよそ1時間30分です。10号車から12号車の自由席です。3人はバラバラになって乗りました。
台湾新幹線切符
桃園から台南までの台湾新幹線切符
①単程票とは、片道切符乗車券のことです。
②自由座車廂とは{廂はヒサシの意味}自由席車両のことです。
③10~12節とは、10~12号車のことです。

新幹線のスピードは日本でいうと「こだま」程度でして、駅が多く15分走ると止まり、20分走ると止まるという状態です。鉄路と車両は日本製、信号系統はフランス製だそうです。乗り心地は日本の新幹線と変わりはありませんでした。
台南駅にて新幹線と
台湾新幹線を背景に(台南駅にて)
午後3時ごろには、新幹線の台南駅に着きました。この駅は郊外にあり、台南市の中心部に行くにはさらにローカル電車に乗り換えて市の中心部に行くのです。ところが、駅を降りホームへ出ると、暑いのなんの、気温は27℃です。中部新国際空港(セントレア)を出る時は気温が4℃でして完全な冬の装い、つまり、モモヒキを履き、上は長袖の下着です。汗が滲んでくるというより、身体が蒸れてしまい、急速に疲労感が襲ってきたのです。ネクタイをはずし、ズボンのバンドを一つゆるめるなどして可能な限りの対応をしました。本当に散々な目にあったのでした。
ローカル電車は下の写真のように青い電車でした。乗客もほぼ全員座席に座ることが出来る程度の混みようです。10程度の駅に停車し、台南駅に着きました。そこから、タクシーでホテルまで行きます。ホテル到着は午後5時近くになりました。
台南市内までの列車
新幹線台南駅から台南市内までの列車(重そうな感じでした。)
その2 台湾料理で、最高級のおもてなしを受ける

ホテルで一休みです。早速、モモヒキを脱ぎ、シャワーを浴び、日本から持って来た半そでシャツに着替えました。そして、夜の歓迎宴会に出席です。
ホテルのロビーに6時集合、歩いて10分程度の場所の台湾料理専門店へ入りました。何故か、ウエイトレスが多くいた印象があります。しかも、案外高年齢のウエイトレス(どっちかというと『としま』)で、みな白い割烹着の様なものを着ています。これが台湾料理のお店か、独特の雰囲気だなぁ~、と思っていると、さっそく鍋料理です。野菜が鍋からあふれんばかりの「てんこ盛り」に入っています。火を付け、しばらくグツグツと言う音です。この音の優しさと言い、野菜が煮えた良いかおりと言い、実にうまそうだなぁ~。中を覗きこむと「とんこつラーメン」の様な汁の色です。とんこつラーメンはしょう油ラーメンより好きです。これは行けるぞぅ~。シメシメ。
と思いきや、例の「としま」ウエイトレスさんが鍋の底から何やら怪しいものを取出し、鍋の淵に並べるのです。6人で食事ですので、それは6本ありました。
うへぇ~っ。それは、豚の足か腕の骨が2つに切断された代物です。それが下の写真です。これはグロテスク。何ともいえない感じです。
豚の骨の鍋料理
切断された豚の骨が入った鍋料理。
(経験のない味でした。味はわかんない。失礼)
通訳の人に、「これを食べるのですか?」と聞きましたところ、通訳の人は箸でその骨をつまんで私の皿の上に載せ、「はい。これをストローで飲みます。」というのです。つまり、ストローで骨の髄液をチューチュー吸うのです。
わぁー、これは大変だ、初めて味わう味でして、美味しいのか不味いのかわかりません。しっかり、目をつむって吸いました。何とも言えない味です。招待して頂いた企業の人に失礼のないよう、やっとの思いで、全て、きれいに飲みました。ところが、としまのウエイトレスのおばさんが、いきなり、ささっ、とやって来て、おもむろに鍋の汁をしゃもじ(おたま)に取り、私の皿の上にある骨の空洞に注ぐのです。「わぁー、また飲むの?」
ストローで吸う様子
ストローでチューチュー吸って飲みます。
(下部の関節とおぼしき周りにはゼラチン質がこびりついています。)
今度は、再び鍋の汁を注がれないよう、ゆっくり飲んだり、飲んだふりをしたり、と悪戦苦闘です。すると、通訳の人が、「骨の関節の部分のゼラチン質も食べるのですよ。美味しいですよ。」というのです。「もう騙されないぞぅ。これも多分同じ状況になるのではないか。」と思い、少しづつ遠慮がちに食しました、ほとんど残して・・・。周りの人は、食べていました。よく見ると、ゼラチン質の油で、口の周りをギラギラさせて食べているのです。参ったなぁ。

その3 いよいよ、工場視察兼指導
朝起きると、天気の良い、南国調の日差しが照りつける晴天の日でした。外国旅行では、朝早くの市街地はその国独特の習慣が垣間見えるという事で、いつも朝の散歩をします。
台南市メインストリート
朝の散歩の途中にて(台南市メインストリート)
今回も、台南市の下町を1時間ほど歩きました。台湾は中国、ベトナム、タイと同様、バイクの多い町です。赤信号になると、10~20台のバイクが自動車の前に並びます。そして青信号になると一斉にバイクが走り出し、その後を自動車が走り出すのです。
路地を入ると中国の上海、南京と同じような風景が見られます。中国語は十分な知識がありませんが、台湾では何だか言葉が少し違うなぁ、中国語とも違うし・・・、と思いました。台湾南部では、福建省の人達が多く移住しているようでして、この地域では中国語、中国語と少し違う台湾語、そして福建語の3つの言語が重なっているという事で、この3か国語(?)を理解し、話せないと仕事にならないのだそうです。
台南市街地
ホテルから台南市の市街地を見る
そして、午前8時にホテルロビーに集合です。いよいよ仕事のはじまり、始まり~っ。まずは、台南市のサイエンスパークに設置されている排水処理施設の運転管理の指導です。サイエンスパークと言っても、いわゆる工業団地です。しかし、大規模な、きれいな工場が立ち並び、大気汚染もありません。実にきれいな工場団地です。まず、私たちは、この工業団地のお偉い方に挨拶をするため、工場団地の管理事務所へ行きます。事務所の前には野外展示物として様々な芸術品が並んでいます。下の写真は有名な彫刻家によるものと解説がありました。その他、薬缶(やかん)のようなマンモスの様な芸術作品、人がベンチで休んでいるような芸術作品などいたる所にありました。何でこんなにも多く、いたる所にあるのだろうと不思議に思いました。
管理事務所前の芸術作品
管理事務所の前にある芸術作品(鼻をナデナデしてゴマをすっている。)
名刺交換をし、挨拶が終わり、現場へ向かいます。もちろん車です。この工場団地には3つの工場排水処理場があり、2か所は稼働中、1か所は建設中でして最新の設備を整えることにしています。
わたしたちは、既に稼働中の施設の運転状況を見て回りました。管理責任者は常駐しているのですが、処理施設はその能力を100%発揮していないように思われました。稼働して2~3年だそうです。安定した運転に向けてさらなる指導が求められます。
工場排水処理施設
活性汚泥法による大規模な工場排水処理施設
(1日3万トンの排水を処理するそうです。)
そして、難しい話になりますが、低分子の難分解性有機物質の除去が不十分という話になりました。排水基準が相当厳しいのです。そこで、下図のような工場排水をもう一度利用する、『水のリサイクル』を提案してきました。
水のリサイクル提案図
将来の水リサイクルを考えて、膜ろ過装置の設置を提案しました。
とは言うものの、設備が高度化すればするほど、運転管理が難しく、この工場団地で使いこなせるかが今後の課題となりました。しかし、出来るだけ排水処理設備や発生汚泥の維持管理の教育をしていくこととしました。この様に、日本では当たり前の設備でも、その導入には細心の注意が必要であることも分かりました。 この様に、台湾では毎日、工場の排水処理場の指導をしたり、責任者と意見交換をしたりと忙しい日々を過ごしました。

その4 台北からセントレアへ
4泊5日の台湾の仕事も無事に終え、今日は日本へ帰る日です。今回の旅は余裕がなく、観光地へは行けませんでした。故宮博物館も行かず、ただ、1日だけ夜に台湾マッサージに出かける程度でした。このマッサージがまた、ものすごくて、つまり、マッサージは男の人が対応するのです。私は、体育系の若い男の人に当たって、マッサージというより力強く柔軟体操をしてもらったようで、終わってから、節々が痛くて痛くて、お金を払うのがもったいないと思うほどでした。
台湾ラーメン風の麺
台湾で最後に食べた台湾ラーメン風の麺
(どんぶりはプラスチック製)
帰る日の午前中も仕事でして、途中、空港への帰り道、『元祖 台湾ラーメン』のようなものを食べました。辛くて、辛くて悪戦闘しました。中身はラーメンというよりも、きしめん(名古屋名物のうどん)という方が当たっている様な太麺でした。そして、赤ちゃんのこぶし大ほどの大きさの大根、ニンジン、肉(何の肉かわからないが筋があり歯でかむことが大変なもの)が入っているのです。でも何とか、日本まで帰って来ました。
結局、今回の旅は、疲れた~っ、の一言でした。その後、日本の気候に慣れるまで再び風邪気味、花粉症気味になり、2週間ほど体調が回復しませんでした。気候のせいもさることながら、骨を2つに切断した鍋料理を食べたせいもあるのではないかと、現在でも思っています。
 それでは、終わります。さようなら。やはり、疲れた~っ。
皆さま、来年はイノシシの年です。猪突猛進で幸せをゲットしてください。それではよいお年をお迎えください。

 <追加です>
そういえば、幸先の良い、ツーショットで記念写真を撮った御嬢さんとはどうなったかと申しますと、『竜頭蛇尾』とはこのことでして、その後は特段何もなく、別れの握手もなく、日本語で「さようなら。」と言っただけで別れました。名刺交換はしたのですが、中国語でして読むことが出来ません。これだけは残念というほかありませんでした。 以上、おわり。